過去も未来も無い、意識すべきはただこの現在の瞬間のみ
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早朝のカフェの何がいいかっていうとその「静寂さ」。
しかしその日のやるべきことに対して無気力になってしまうのは。。。。。。。
考え物だ|ω・`) このままずっと本読んでたいとも思ってしまう。
しかしそんな些細な瞬間があるからこそこんな世の中でも絶望しない。
◆最近観た映画
Apocalypse Now
地獄の黙示録
1979年(オリジナル)
2002年(特別完全版)
ベトナム戦争を舞台にした異色のロード・ムービー。
戦場の狂気に触れ、自らを崇拝する部下・現地人を引き連れてジャングルの奥地に自らの「王国」を築いたカーツ大佐。
極秘任務として彼の抹殺を命をうけたウィラード大尉は哨戒艇で川をさかのぼり、数々の戦争の「異様な姿」を目撃していく。
この映画、始めて見たのは中学生の頃だった。
14そこらの糞餓鬼がみるにはあまりにビジュアル・ショックが強すぎた作品。
「トラウマ」といってもいいかもしれない。今まで見てきた映画の中でも「忘れえぬ強烈なインパクトを残した作品」として10指には入る。
言わずもがな、泣く子も眠るコッポラの記念碑的大作。
名画「ゴッドファーザー」の陰に隠れがちな気がするがコッポラといえばやはりこれでしょう。
中途半端な駄作も何本か撮っていたりするコッポラですが「これ」と「ゴッドファーザー三部作」を撮りきった点でやはり「巨匠」なのである。
シーンの一つ一つ、作品全体から放たれる映像の持つ強烈なオーラにただただ圧倒される。
ヒュ ヒュ ヒュ ヒュ ヒュ ヒュ ヒュ ヒュ
というヘリコプターの羽音と共に不気味に奏でられるDoorsの「The End」で幕を開けるオープニング。(クレジットは一切無し!)
この時点で既にただならぬ空気・匂いが映像から漏れ始めている。映像に惹き寄せられる」というより「吸い寄せられる」って感じです。
「ベトナム戦争の狂気」を描いた作品であるが理屈を必要とせずとも映像そのものから限界点の狂気が肌にしみこむように伝わってくる。
誇張ではない、何も感じないのであればそれは鑑賞者が余程鈍感なのだ。(断言)
出演者の問題や無駄に食いつぶされていく予算、制作期間の度重なる延長、現地で熱病に倒れたマーティン・シーン、暴風雨でセットが破壊されるなどトラブルに次ぐトラブルの中で作られたことは有名な話ですがそんな次第に狂気じみていった撮影現場だからこそ生み出せ得た映像がここにはある。
それにしてもジャングルの奥深くによくこれだけ大規模なセットをいくつも作ったものだが....... 制作費が膨大なのが容易に見て取れる。
「戦争」という一種の超現実をテーマとしていながらも映像はひたすら幻想的で悪夢的。「戦争映画」的でない。
漆黒の戦場のど真ん中にキラキラ輝くステージがあってストリップショーをやってたり濃霧の中から忽然と現れる航空機の残骸やフランス人入植者のプランテーション。闇夜のドラン橋の地獄、そしてラストのカーツの「王国」の悪夢。
シュルレアリスム絵画を延々と見せられているような気分になってくる。(思えば本来シュルレアリスムも超現実と言う意味)
中でも有名なのはやはりワーグナーの「ワルキューレの騎行」をバックにキルゴア中佐のヘリコプター部隊がベトコンの拠点の村に強襲攻撃をかけるシーン。(このシーン超大好き!何度観てもゾクゾクする)
「戦闘」を描いているのにどこか非現実的。そして兎に角美しい。
それにしてもスケールが桁外れ。CGを初め映像加工技術もろくになかった時代に大規模なセットをバンバン爆破してヘリコプターや爆撃機を無数に飛ばし空中からロングショット。撮影は大変だったろうと思います。
さて、言及が遅れたが.........
今回見たのは後に公開された「特別完全版」です。
何度もオリジナル版の本編は観ていたが未公開シーンを追加されたこの完全版は実は初見。
劇場公開当時も気になっていたしなぜ今まで一度もみようとしなかったのか?というのは自分でも不思議であったりするんですがやはりオリジナル版のインパクトがあまりに強烈だったからだろうか。
キルゴア中佐のボートを奪って逃げるシーンやプレイメイト達を抱いて騒ぎ立てるシーン等が追加されている。
中でも公開当時から目玉の追加映像と目されていたのはフランス人入植者のプランテーションでの幻想的な一夜。
カットされていたのが信じられないほど完成度が高く、何処か不思議で観ていて圧倒されるようなオーラに溢れたシーン。
しかし映画全体のテーマを示唆する台詞がいくつか見受けらるとはいえ(ベトコンの産みの親について、人間の多面性など)他のシーン同様、ただでさえ糞長いオリジナル本編に付け加える必要性があったかというと少し考え込んでしまうシーンではある。
でもこのシーンはこのシーンで好きです。
そういえばうちの母はマーティン・シーンが好みのタイプらしいですが........
キャストの事で更に余談を言えば
本格的にブレイクする前のハリソン・フォードがちょびっと出てきます。若い。
そしてまだケツの青い年頃でガリガリ体形のローレンス・フィッシュバーンが出演していますがマトリックスの体格ががっしりしたモーフィアスとはまるで別人である。
◆◆
暗示的でかなり「難解」な作品である本作。
故に人により様々な解釈が存在するが自分の本作に対する私的見方は今でも変わらない。
カーツ及び彼の王国は戦争の生んだ狂人・狂気の賜物では無い。
人間の内面が育んだ心の「闇」ですらない。
上官たちの起こした虚無・理不尽に満ちた戦争。嘘に満ち溢れ恐怖は渦巻き、正義と悪が紙一重に存在する戦場にあってもカーツは上に背いてまで自己の内面で最後まで軍人たろうとした。
そして彼の「王国」は誰が望んだでもない、異形であれ「軍隊」の本来の実に純粋な姿であった。
そして、「アメリカ」自身が作り上げたものでもあった。
上からの密命を受けてカーツを暗殺に来たウィラードと静かに死を待つカーツ。
彼(カーツ)は狂人・狂気であると言う認識、及び「危険因子」としての彼の暗殺を命じられ川をさかのぼるウィラードの構図は矛盾と偽善に満ち溢れたベトナム戦争の姿そのものなのだ。
しかしなんだかんだ
要素を全て消化し切れていない映画でもあると思うのである。
コッポラにも限界があったか。
ストーリーは正直破綻している。
この映画の極限状況(笑えないほどに)を考えれば無理も無かったかも。
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