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最近見返した映画
「デッドマン」 DEAD MAN
1995年
ジム・ジャームッシュ監督
孤高の映像作家、ジム・ジャームッシュの代表作の一つ。
ふとしたことから「殺人者」となってしまった男の全編モノクロで綴られた異色のウェスタン・ロード・ムービー。
自分と同じ名前の詩人を畏敬するネイティブアメリカンと出会い、彼の言葉に感化され次第に豹変していく様を描いている。
ジャームッシュの映像美学、ユーモアセンスにはこれといって思い入れの無い自分ですがこの作品も今見返してみても...... 内容的には相変わらず「訳がわからないな」と、思ってしまう。
ジョニー・デップの演じるウィリアム・ブレイクはイギリスの詩人ブレイクを掛け合わせた人物であり、この作品そのものがブレイク及び彼の詩へのオマージュだと評する人は相変わらず多いみたいですが個人的にはそこまで深読みするタイプの映画でも無いかなと。
話が淡々と進むに連れて多くの人間が死んでいく。そんな殺伐とした中でニール・ヤングの即興をバックにラストまで続く何処か詩的でのんびりとした空気。不思議な映画だ。
そして特に後半以降ですがモノクロの画面が切り取るジョニー・デップの表情の一つ一つが美しい。
今や最も旬なハリウッド俳優の代名詞となったジョニさんですが彼をここまで綺麗に映した作品って他に無いんじゃないかな。
ジョニさんのファンの人には悪いけども基本的にこの人、言われるほどの演技派でもないと思う。
しかしニヒルな顔立ちの中に一種のもの悲しさみたいなものを醸す彼の表情に妙に魅力を感じてしまう事があったりする。
この作品でのブレイクの役にしろシザーハンズのエドワードにしろ彼じゃないとやはり務まらない。
今ではすっかりスーパースター扱いですが(正直あのディズニー資本の御馬鹿海賊映画には出ないで欲しかった)自然児的個性派?といってしまうと変だろうか、そんなジョニーが見れる作品だと思う。
しかし改めて見ても脇を固める出演人に中々癖があるな........
ディッキンソンの危ない社長になんとロバート・ミッチャム。ブレイクを執拗に追跡する殺し屋にランス・ヘンリクセン。森の中で出会う男の一人に(本当にちょい役)パンク界のカリスマ、イギーポップ。
流石ジャームッシュ..... と思ってしまうような意外な配役。
「スターリングラード」 STALINGRAD
1993年
ヨゼフ・フィルズマイアー監督
漸く国内版DVD発売ってことで。僕が今持ってるのはレンタル落ちのビデオですが。
同名のハリウッド製映画があるのでややこしいんですが(馬鹿な日本の配給会社が適当な邦題を付けて題名をかぶらせた)「橋」や「Uボート」と並ぶドイツ製戦争映画の隠れたる作品。
第二次大戦における最大の激戦といわれ、独ソ戦のターニングポイントとなったスターリングラードの戦いをドイツ兵の視点から描いていく。
風光明媚な南イタリアから一転、列車がトンネルを抜け血で血を洗うモノトーンのロシアの大地に切り替わるオープニングはインパクトが有る。
戦争の悲惨さを訴えたいのであろうが全体的に見ると色々詰め込みすぎた感があってどうもムラを感じてしまうので取り敢えず「名作」とは言わない。
ソ連軍の女性兵士や腐敗した上官の描写、民間人の射殺のシーン、そして後半の流れなどはエッセンスとしては必要であったのであろうが極限状態での戦場の悲惨さを描くのであればもっと直球でいって欲しかった。
しかし重厚な音楽と共にこの全編に漂う「重さ」はやはり敗戦国ドイツでしか描けない。
ラストのやるせなさはドイツ製戦争映画のお決まりか.........
印象に残るのはやはりソ連軍の戦車部隊をタコツボに篭った主人公達が迎撃するシーン。
「Panzer....... Panzer......!!」と怯える兵士。
タコツボごと踏み潰さる兵士。
体を砲撃で吹き飛ばされる兵士。
足を撃たれながらも片足を引きずりながら迫り来るキャタピラから必死で逃げる兵士。
碌な対戦車兵器も持たずに戦車を相手にする事がいかに恐ろしいかが伝わってくる。
そして地下の下水道?に隠れていた市民の親子の視点から見るドイツ兵とソ連兵。
色々な戦争映画をみてきた中でもこの飾り気の無いさり気ないシーン程どちらも「血の通った人間」であると認識させられる場面は個人的には無かった。
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