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過去も未来も無い、意識すべきはただこの現在の瞬間のみ
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スタバ某店で店員さんが声を揃えて


メリークリスマス!!!!!!!!!!!


と大声でコールしながら働いてたんですが
正直威圧以外の何物でもなかったのだが。

そういえば某所では(イルミネーションの前ですよ)
女子大生と思われるグループが何かのステージで下手糞な発音で英詩の歌を歌っていたが..........
威圧とは違いますがなんか


もっと私達をみて!!!!!!!!!!



みたいな感じでどうも嫌らしい印象を受けてしまったのだが
少しへそ曲がりかな?

こんばんは|ω・`)




bla.jpg

寒い季節のロシヤ文学 2

ブルガーコフ   「巨匠とマルガリータ」


ロシア文学というと基本的に「暗い・長い・説教くさい」という先入観としてのイメージを一般に持たれてしまっていると思うのですがどうだろう。
「ロシア文学」というと多くの場合19世紀のものを指しますが20世紀ロシア文学というと更に「暗い」イメージが付き纏う。
時代背景として共産主義の台頭が背後にありますがゴーリキーに象徴される社会主義リアリズム文学、ソルジェニーツィンやプラトーノフのような体制批判文学などがそれに当たる。
この作品は日本では知名度が極端に低いですが(その割りに現在入手しやすい翻訳が三種類も存在する)このようなブラックファンタジーの存在はある意味20世紀前半のロシアでは異質であったかもしれない。
そういえばちょっと前のiichikoでブルガーコフの特集が組まれてたんですがそこに載せられていた「巨匠とマルガリータ」の各国で出版されてきた本書の表紙・装丁デザインがまたどれも素敵だったのである。
多くはヒロインであるマルガリータと人気キャラのベゲモートがモチーフでしたが。

舞台は20世紀のモスクワ。
この都に突如現れた悪魔ヴォランド一味(※)が引き起こす騒動、それに並行する形で本作の主人公たる「巨匠」の作品の中で語られるキリスト処刑前後のエルサレムでの総督ピラトを中心とした一幕が語られていく。
そして交差するマルガリータと巨匠のロマンスがこの作品の主軸である。
独特なユーモアと時代を先取りしたかのような描写・表現、兎に角不思議な雰囲気を持つ作品。


黒い右目と緑色の左目を持つ外国人風の身なりをした悪魔ヴォランド
減らず口ばかりたたく猫のベゲモート
高身で格子縞のジャケットを着た催眠術師のコローヴィエフ
牙をむき出した射撃の名人アザゼロ
裸の美女のヘルガ

奇妙奇天烈な面々


ブルガーコフは今日では20世紀ロシア文学を代表する巨匠として知られていますがその生涯は悲運そのものでソ連当局から体制批判分子と見られ、「白衛軍」をはじめ多くの作品は発禁処分を受けた。
晩年に書かれた「巨匠とマルガリータ」は誰もが彼の最高傑作としている作品ではあるがスターリン体制化の30年代のソ連では到底出版できるような内容ではなかった。
この長編小説が日の目を見たのは彼の死後、スターリン体制以後のことである。<しかしスターリンはブルガーコフの作品そのものは気に入っていたと言われている>
出版されるやいなやソ連国内で大きな話題を呼び次々と各国語に翻訳、不死鳥の如く蘇った作品は彼の名の再評価へと繋がった。
今や巨匠とマルガリータはロシア人の国民的愛読書としてドストエフスキーやトルストイの長編を上回る人気を誇っているそうです。
悪魔ヴォランドが「原稿は決して燃えない」と言い、焼けて灰となった巨匠の作品を奇跡によって蘇らせるシーンには不遇の環境で晩年を過ごした一人の作家の自身の作品の不滅を信じる意思が込められているとよく称されますがこの「復活劇」からわかるように正にこの作品の運命に対する作者自身の予言そのものとも言える。
また、ブルガーコフが全体主義としてのソ連、それに属するロシア国民の不条理を自身の作品の中で明確に皮肉って表現しようとしたのかは分からないがヴォランド率いる悪魔の一味に翻弄されるモスクワ市民の醜い姿は正に現代人に対するドギツイ風刺である。
冒頭、ヴォランドに「あなたは青年共産党員の女に首を切られて殺される」と予言され結果的に本当にそうなってしまう(不慮の事故で)ベルリオーズの場面等は成程、スターリンによる粛清の嵐が吹き荒れていた30年代ロシアのブラックな風刺そのものと言えます。

それにしても特に主張したいのは..........
この作品全体に散見されるサイケデリックとも言うべきシュールな描写の数々。
70年以上前に書かれた作品としてはかなりあくが強い。
「裸の女性が箒や豚となった人間に跨って空を飛ぶ」という表現やヴォランドのグロテスクで奇妙極まりない舞踏会の描写など正に。
この作品が翻訳され世界全体で出版されたのは66年、ちょうど世の中がマリファナと共にサイケデリックな文化が絶頂期を迎えようとしていた頃ですが時代的にもマッチしていたのかも。
そういえばローリング・ストーンズのミックジャガーは「Sympathy For The Devil」(悪魔を憐れむ歌)の歌詞を書く際にこの作品から多大なインスパイアを受けたという有名な話がある。

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