過去も未来も無い、意識すべきはただこの現在の瞬間のみ
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The Deer Hunter ディア・ハンター
1978年
マイケル・チミノ監督
所謂 「ベトナム帰還兵もの」 の最高峰と言われている作品。
ベトナム戦争に狩り出された若者達が受けた心の傷と悲劇を描いている。
役者陣は今改めてみてみると中々味のあるメンツで当時「ゴッドファーザーPARTⅡ」での若き日のヴィト・コルレオーネや「タクシードライバー」でのトラヴィスの役で一躍脚光を浴びていたロバート・デ・ニーロ。
この作品でアカデミー賞助演男優賞を獲得したクリストファー・ウォーケン。当時婚約していたメリル・ストリープ、ジョン・カザール等。(しかしカザールはこの年に死去)
また、当時新鋭の監督のマイケル・チミノはこの作品で監督賞を受賞して一躍ハリウッドのトップに躍り出る。
この映画、初めて観たのは中三ぐらいの頃だったと思う。
全体的なダラついた展開で疲れ、更に物語の舞台がベトナムに移行してからトーンが妙に重苦しくなってきてニックがサイゴンで行方不明になる辺りでDVDを止めて観るのを中断した覚えがある。(後に残りも観ましたが)
その後も何度も見る機会があったが何故かいづれも途中で中断。だから思えば改めて全体を通してみたのは今回が初めてだったかも。
しかし改めてみても全体的なこの助長さはなんだろう?と思ってしまう。(上映時間役三時間)
全体的に無駄な描写が多く、カット割りもそこまでセンスを感じない。
特に冒頭部の延々と続く故郷での主人公達の描写はなんかもう拷問に近い。いくらなんでももう少し短くは出来なかったものか。
マイケル・チミノはこの作品で一躍スターダムにのし上ったものの、その後のキャリアがそれ程ぱっとしない・評価されていないのもあってそもそもそこまで才能ある監督だったのかな.....と思ってしまうこともあるんですが。
そしてこの作品のメインテーマである「戦争が与えた傷」なのだが........... 正直感情移入できないです。
ベトナム兵の捕虜となった主人公達が受けるあのロシアン・ルーレットの拷問のシーンの緊迫感は確かに恐ろしい。(初見の当時かなりビビッてました。特にジョン・サヴェージの発狂ぶり)
しかしその後の後遺症としてニックが狂ってしまった経緯がどうも描写不足で突飛過ぎて違和感を感じる。
少し過剰な解釈をしてしまえばだが、全体的にベトナム人が差別的に「汚く」描かれていることも相まって「傷ついたアメリカ」を演出するアメリカ人の心の底のエゴを垣間見せられているような気分になる。
ましてこの映画が作られた時代はまだベトナム戦争のトラウマが色濃かった時代である。
と、この映画は「過大評価が過ぎる」と結構マイナスな目で見てしまう僕ですが........
改めて見返してみると面白い点も多かったりする。
確かに前半部での主人公達の故郷の田舎町での描写は助長かつあまりに淡々としていて少々退屈を覚える。
しかし、だからこそそんな脚色がかっていない若者達の「日常的」描写とロシアンルーレットのシーンに代表されるようなデフォルメ化された「非日常的」なベトナムの地獄のコントラストが際立つ。
言うなれば戦争による日常性の破壊。それをこれほど強く感じたのはこの映画だけかもしれない。
そして言うまでも無く音楽が素晴らしい。
誰もが一度は聞いたことがあるであろう有名なテーマ曲はもはやアコースティックギターのスタンダードといっても過言ではない。
そういえばサントラにもロシア民謡がいくつか収録されていますがスティーヴンの婚礼のシーンからもわかるように彼等がロシア系アメリカ人という設定であることがわかる。
◆◆
この映画の好きな台詞でベトナム出兵前のニックの「森の木についての話」が強く印象に残ってるんですが未だに自分なりの解釈が出せないでいる。
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